ナバホの歌

book スコット・オデール (著), ポッター・プエブロ (イラスト), Scott O’Dell (原著), 犬飼 和雄 (翻訳)

 1863年から1865年にかけて起こったナバホ族受難の史実を、ナバホ族の少女の体験として描いたお話。

 その頃と今。今って、少しはましな世界になっているのかな。

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The Miracles on Maple Hill

book Virginia Sorensen (著), Beth Krush (イラスト), Joe Krush (イラスト)

 Marlin は両親と兄のJoeの4人家族。ピッツバーグで暮らしている。戦争に出兵し、捕虜生活の後、奇跡的に生還したお父さん。だけど、帰ってきたお父さんは心に傷を負っていた。いつも疲れていて、怒りっぽい。Marlin たちはお父さんの前では、冗談半分な口喧嘩すらできない。お父さんは歌うことが好きだったのに、今は歌をせがむことすらできる雰囲気じゃない。

 そこでお母さんが言い出した。お母さんの祖母が暮らしていた Maple Hill で暮らしてみたらどうだろう、と。自然に囲まれた環境で身体を動かす生活をしてみるのもいいかもしれない、と。
 Marlin たちは学校があるから、Maple Hill で暮らすのはお父さんだけ。Marlin たちはお休みのたびに荷物をまとめて、Maple Hill に来ればいい。

 最初はご近所づきあいをすることすら気がすすまなかったお父さんだけれど、やがて・・・。

 1957年、ニューベリー賞受賞。

 1957年というから、50年前の作品。でも、今読んでもあんまり古びた感じがしません。

 春先にサトウカエデの木から樹液を集めて、シロップを作るという仕事がこのお話の中では重要なファクターになっています。煮詰めあがったシロップをマグカップにとって、熱いから雪の中にカップを置いて少し冷ましてから、息をふきかけながら少しづつ飲む。その様子がめっちゃおいしそうなの。いつもはパンにはハチミツなわたしですが、そんなシーンを読んだあとは、今日はハチミツの代わりにメイプルシロップにしよっかな、なんて思ってしまうのです。

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汚れなき儀式 (「幻の馬」物語 vol.2 )

汚れなき儀式 (「幻の馬」物語 vol.2 )

book ジュマーク・ハイウォーター (著), イルメリン・サンドマン=リリウス (イラスト), Jamake Highwater (原著), 金原 瑞人 (翻訳)

 第1巻『伝説の日々』で自分の部族、姉、夫を失い、天涯孤独になってしまったアマナ。第2巻では、新たな友人、白人の青年との出会い、アマナが母、祖母になってゆく様子が描かれる。

 アマナという人は何なのかと、ずっと読みながら思っていた。つまりはひとりの女性の生涯を描いているんだな、ということがわかってきた。ファンタジーの主人公とかではなく。

原書:The Ceremony of Innocence by Jamake Highwater

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『伝説の日々』 Legend Days ジュマーク・ハイウォーター

アマナというネイティブ・アメリカンの女性を主人公にしたお話。

若いアマナのほとばしるような生命の息吹と、暖かく老いた家族たちが対照的。

『アンパオ』では、精霊たちは人間と同様に話し、いっしょに同じ大地に生きる存在だった。こちらのお話では、精霊たちはいるけれど、多くの人間と精霊たちの距離は遠くなってしまったよう。

なんか・・・うまくことばにできないけど。

人を描いているけど、それだけを描いてるわけじゃない。人の営みのうしろに大きな存在がある。それを感じさせるお話だと思う。

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『ベーリング海峡をわたる グレートジャーニー7』 関野 吉晴

book

 南米からアフリカをめざす関野さんの旅の記録、第7巻。アラスカからベーリング海峡をわたってロシアに上陸。その後、アラスカにもどり、冬の雪原をハンターとともに過ごします。

 ベーリング海峡を渡る方法、船で渡るか冬に凍結するのを待って氷上を渡るか。鏡のように凪いだ海面の様子を撮影した写真がありました。ほんとにこれ、海? こんなふうになるときがあるの? へえ~、そうなんだ。

 アラスカで狩りをして暮らすハンター一家の話。いまもこういう暮らしをしている人がいるんだ、と思いました。お話では読んだことがあったけれど。

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