The Little White Horse 再読中

bookうわー、3ヶ月ぶりの更新ですか。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。わたしは元気です。

 さて、昨日から Kindle 読書が復活しました。

 本は Elizabeth Goudge の The Little White Horse。
 春だから花や森がふんだんにでてくる物語です。

 たしかこの本、1年前は Kindle 版はなかったのに、昨日探したらありました。Kindle 版を買いなおして再読しています。

 去年の夏からほとんど読んでないので9ヶ月ぶりの洋書読書。
 脳内音声はすっかりカタカナになってます。音、きいてなかったからなぁ。
 理解力はほとんど落ちてないみたい。
 読むスピードはゆっくりになったかな。まあ、じっくり読みたい文章だしね。ぼちぼち読みます。

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Sarah's Key

book

by Tatiana De Rosnay (2007)

 1942年7月16日未明。ナチス・ドイツ占領下のパリで、ユダヤ人の一斉検挙が始まった。

 事件から53年後の1995年、当時のシラク大統領が、この事件はフランス政府が行ったことであると公式に認めたそうです。

 "Sarah's Key" は、当時10歳だった少女の視点と、フランス在住の女性ジャーナリストによる現代の視点、その2つの視点を絡めながらこの事件を描いています。

 第二次世界大戦中のホロコーストを描いた書籍はたくさんあるし、それなりに読んでいるけれど、フランスでのホロコーストを描いた物語を読んだのはこれが初めて。
 また物語の中で、当時を追うだけでなく、現代の視点も織り交ぜた点が秀逸。

 作者はフランスで雑誌記者をしていた(いる?)のだそうで、ジャーナリスティックな記述が多数みられるのも納得でした。

 語数は約82,000語(by Scholastic)。YLは…うーん、7くらいかな。2007年にフランスで出版され、2010年にフランスで映画化されました。映画の日本公開は今年(2011年)の秋から冬にかけてのようです。

 映画、原作本ともに邦題は『サラの鍵』。

 ここ2ヶ月ほど、洋書読みは超低空飛行だったのですが、この本は読み始めて3日ほどで一気に読んでしまいました(明るい話ではないので一気に読まないと辛いともいう)。

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Enchanted Glass

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 祖父が亡くなり、30歳半ばの Andrew は祖父の屋敷を受け継いだ。永年祖父のもとで屋敷に勤めていた人たちもそのまま雇い続けた。そんなある日、ひとりの少年がAndrew の祖父を訪ねてやってきた。

 Diana Wynne Jones,2010年に出版された作品です。
 あいかわらず女性が元気。Diana Wynne Jones らしいどたばたも健在。

 Diana Wynne Jones は、今年の3月に亡くなられたそう。享年76。新しい作品はもう増えないのかぁ。楽しくて可笑しい作品なのに心に鈍い痛みを感じながら読み終えました。

 今まで楽しい作品をたくさん世に送り続けてくださってありがとうございました。星になったDiana Wynne Jones さんに感謝の気持ちが届きますように。

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Homecoming,Dicey's Song,The Runner

by Cynthia Voigt

 Tillerman Series の1巻、2巻、4巻です。
 第3巻を先に読んでしまったので、1・2巻の結末はわかっているんだけど、起承転がわかっていなかったので、これはこれで楽しく読みました。
 Tillerman Seeies は、13歳のDicey、10歳のJames、9歳のMaybeth、8歳のSammyの4きょうだいとその家族、友人たちのお話です(まだとちゅうまでしか読んでないから後半はよくわからないけど)。
 第1巻は親が行方不明になってきょうだいたちが親戚の家まで旅をするお話。
 第2巻は彼らの新たな生活の様子を描いたお話。

 第4巻はベトナム戦争の時代。きょうだいたちの叔父の話。

 4巻は、終盤になるまではこれのどこが面白いんだろうと思いながら読んでたの。でも最後まで読むと「読んでよかった」って思う。

 このシリーズはあと3冊。

 

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The Absolutely True Diary of a Part-Time Indian

book

by Sherman Alexie

 居留地にくらしている Native American の14歳の少年が居留地の学校から白人たちが通う学校に転校する。それをきっかけに起こったさまざまなできごとをイラストいりの日記でコミカルにつづるお話。

 うーん。わたしの中では消化不良な感じ。

 現実の Native American に対する知識がなさすぎて、この本で描かれている内容がどこまで現実を映したものなのか判断ができなくて。どう受け止めていいのか…。
 考えるきっかけをもらった、って感じ。

 とここまで書いて思いついた。

 日本語翻訳がでているから(本屋さんで見かけたことがある)、その解説を読んでみたら何かが自分の中で落ちるかも。

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A Solitary Blue (Tillerman Series)

book by Cynthia Voigt

 Jeffが7歳のとき、母が家を出ていった。11歳の夏休みにJeffは母と過ごす。父のもとに戻ったJeffの頭からは母の面影が離れなかった…。(1983年出版)

 多読仲間の紹介でKindle版を読みました。人の紹介本を読むのって自分で選んだ本とはひと味違うよね。このお話をその人はどう感じながら読んだのかなぁ・・・って思いを馳せながら読むから。

 は~。切ない話だった~。じわじわと滋味が効いてます。

 読み終わったあと、amazonで本の情報をみたらタイトルのうしろに「Tillerman Series」とある。あれ?シリーズなの?と思って調べると、A Solitary Blue は Tillerman Series の3冊目でした! 気がつかなかった~。

 はじめて読んだ作家さん。せっかくだからシリーズの1冊めから読んでみようかなぁと思って調べたら、1冊めは紙の本のみ、2冊めはKindle版がある。紙の本は最速でも明日の夕方以降にしか届かない。Kindle版はぽちった1分後には読み始められる。う~む。悩ましい。待ちきれないから2冊めのKindle版から読むかも・・・。

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The Boy Who Harnessed the Wind: Creating Currents of Electricity and Hope

book  William Kamkwamba (著),Bryan Mealer (著)

 書店で邦訳をみてずっと気になっていたこの本、1週間ほど前から Kindle版で読み始めました。

 舞台はアフリカのマラウィ。貧しいため電気をひくことができない家庭で育った少年が、図書館の本で読んだ知識と身の回りにあるものを使って自宅に風車をつくり、風力発電を試す過程を描いた話。実話です。

 興味深い内容でした。アフリカのマラウィという国の様子がわかる。電気もケータイも使える家庭と電気もなくランプの燃料費にも困る生活をしている家庭が隣り合わせ。2003年にあった飢饉のようすなども不覚ながら知らなかったので勉強になりました。

 いちばん良かったのは、「どうしたら身の回りのものを使ってコストをかけずに電力を得られるか」という軸がぶれないところ。その工夫のしかたがすごい。中学を中退した少年が風力発電用の風車を自作してしまうんだから。そうやって作るかぁ。

 いろんな意味で発見が多く、すがすがしい気持ちで読み終えました。
 おすすめです。

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邦訳はこちらです。

『風をつかまえた少年』

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Shield Ring

book by Rosemary Sutcliff

 ノルマン・コンケストの時代の英国、湖水地方を舞台にしたお話です。サクソン人やヴァイキング系の住民とノルマン軍との数十年にわたる戦いを背景に、その時代に生きた少年・少女の成長を描く。

 と、こんなお話なわけですが、実はこれもまた再読で3度めでございます。すごーく好きなお話なんだけど、文章が古風でわかりにくいです。日常生活の部分はわかるんだけど、歴史的背景を説明する部分や戦況を語るシーンはいつも五里霧中。
 いままで、少しでも背景知識を増やすべく、英国の植生に関する本を読んだり、歴史に関する本を読んだりしてきたんだけど、やっぱりなかなかしっくり落ちない。

 ので、今回は邦訳を図書館で借りましてざざっと読んでから、英語版を読みました。邦訳をみて、おお、そういうことだったのかー!と、やっとすっきり(ちょっとくやしいけど)。

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In the Country of Men

book by Hisham Matar

 図書館の英文学コーナーでみつけた『リビアの小さな赤い実』というタイトルに惹かれて、原書をKindleで読みました。

 1979年、リビアの首都トリポリを舞台にした9歳の少年の物語です。

 リビアで国王が追放されていまの政権がはじまったのが1969年だそうなので、それから10年くらいたった頃のリビアが舞台になっているということになります。

 作者が1970年のリビア生まれなのだそうで、ちょうど主人公と同い年。どこまで作者の実経験でどこからが作者の創作によるものなのかはよくわかりません。でも、ありし日の少年時代の記憶があざやかに描かれていて、その空気のような存在感がとても印象的でした。地中海に面した町トリポリ。どんな町なんだろうなぁ。

 物語では、不安定な世情にこの一家もまきこまれていく様子が描かれています。少年の目をとおした少年の家族を描いた物語なのだけど、内容は重くて読むのがつらかった。

 この本を読んでいるとき、日々のトップニュースがエジプトからリビアに移ってきました。いままでリビアのニュースにもそれほど関心をもって接していなかったのに、この本を読んでいる間は自然とリビア関係のニュースに敏感になりました。
 これも物語の力かなぁ。ニュースが他人ごとじゃなくなる感覚。

 この時期にこの本を読んだのは単なる偶然だけど、タイムリーなタイミングで読んだなぁ、と思います。

こちらは邦訳です。

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The Pillars of the Earth

book by Ken Follett

 12世紀の英国、キリスト教修道院を舞台にしたお話。

 王や諸侯の興亡の激しい時代の流れが描かれていて、日本でいうと平家物語ですかねぇ。英国の歴史はあまり知らないので、王様とか諸侯や司教たちなど、どこまで史実でどこから虚構なのかよくわからないのですけど。

 こうやって歴史も歴史的建造物も作られていくのかなぁ。

 エンターテイメントに徹してて、長いけど、ストーリーにめりはりがあってどんどん読ませちゃう。よくこれだけ飽きさせずに読ませるなぁ、と、作家さんの術?に感心しながら読んでいました。

 図書館で朗読CD(32枚!)を借りることができたので、朗読CDを併用。
 登場人物が多いので、最初は0.75倍のスピードで。Chapter2 になってから1.0倍に。10万語をすぎたくらいからは音なしだったり音ありだったり。気分に応じて。

 悪役の徹底した悪業ぶりに、とちゅうからそのキャラがかわいそうになってきちゃって。悪役が悪役でなくちゃ話は盛り上がらないんだけど、お話のためとはいえ、あなたも損な役まわりだねぇ、と同情しちゃいました。

 読みながら、いろんな本が頭にうかびました。12世紀の英国というとサトクリフの"Shield Ring"のちょっと後だよね、Aviの "Crispin" もこんな時代だっけ?("Crispin"は14世紀だそうです。)、修道士カドフェルのシリーズ(これは日本語翻訳で読んだ)は12世紀のソールズベリが舞台。修道士の世界だから修道院のしきたりとか似ていて、ああこの時代ってそうだったなぁ、なんて。

 6000年前の石器時代のoutcastを読み終えてから、一気に5100年、時代をくだって12世紀のお話を読んだわけだけど、その時代のギャップもまた楽し。

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