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妖精ディックのたたかい

book キャサリン・M・ブリッグズ (著), コーディリア・ジョーンズ (イラスト), 山内 玲子 (翻訳)

 17世紀半ばのコッツウォルズが舞台です。
 ディックは、ウィドフォードの屋敷に数百年の間、家つき妖精として暮らしてきた。お屋敷はもともとカルヴァー家のものだったが、すたれ、そのお屋敷は売られてしまった。そこへ新しくウィディスン一家がやってきた。ウィディスン一家は商人で、農場のこともこのあたりのしきたりのことも知らない新参者だ。新しい家主の奥方は心がいやしく、カルヴァー家の遠縁にあたるアン・セッカーという少女を小間使いとして雇い入れる。ディックはこの屋敷のほんとうの主人はアンだと思い、彼女を影ながら支え始める。

 この本を図書館でみつけたときに、著者名にびっくり。キャサリン・ブリッグスって学者さんじゃなかったの?と。キャサリン・ブリッグスといえば富山書房の『妖精事典』を編纂した人。てっきり民話を収集・分析する民俗学者さんだと思っていたのに、こんな物語を書いていらっしゃったんですね。
 民話についての造詣の深さには絶対的な信頼があったので、その彼女がどんなお話を描くのか、興味しんしんで読みました。

 物語の主人公となるディックは、家つき妖精。hobgoblin なのだそうな。ハリーポッターに登場した House Elf もたぶん同系列。 Hobbit の Hob も同系かな、とかとかいろいろ想像をめぐらせるのが楽しい。原書のタイトルはシンプルに "Hobberdy Dick" なので、たぶん、英国の人は "Hobberdy"ときけば、浮かぶイメージがあるのでしょうね(わたしにはよくわからないけれど)。

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Comments

ゆきんこです、こんにちは~
ブリッグズのこの本は、妖精の世界を知り尽くして書かれていると思いませんか?以前に読んで大好きでした。
トールキンもそうですが、研究者で作家という人は英米には多いと思います^^

Posted by: ゆきんこ(多読ジャーナル) | 2010.02.22 17:26

ゆきんこさん、こんにちは。かのんです。
ゆきんこさんも、この本、読まれているんですね。
> ブリッグズのこの本は、妖精の世界を知り尽くして書かれていると思いませんか?
そうですね。妖精たちの世界が深く感じました。魔法を使えるちいさなかわいいキャラクタではなくてね。
ディック以外の妖精たちの描き方とか、そのそばで暮らす人間たちと妖精の関わり方や土地との結びつきとか。物語ももちろん楽しかったけれど、それ以上のものがありました。どこから来たんだろうなぁ、あのひとたちは・・・。いまも居るんだろうなぁ、あの丘やあの森に。そんなふうに思いを馳せられるのがいいですね。

Posted by: かのん | 2010.02.26 06:41

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