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たそかれ 不知の物語

book 朽木祥 (2006)

 河童の八寸が散在ガ池にもどって4年。八寸は、ふたたび長老の指令をうけ、人間の住む世界にもどることになりました。60年前に散在ガ池を去った月読族の河童、不知に戻ってくるよう説得するために。

 『かはたれ』の続きのお話です。
 前作は繊細な印象が強かったけれど、今回のお話は頼もしさを感じました。このお話の中のキャラたちは、これからどんな大人になっていくのか、その成長を期待させるような存在。

 いまの自分の生きている時間や夢や希望は、自分だけのものじゃないんだよ。

 そう言われても、中学生のころって、自分のことだけで精いっぱい。このことばを受けとめるだけの大きさがあるのかな。大人になった今の自分にすらその大きさがあるかどうかはよくわからない。あってほしいな、とは思うけど。

 喧騒を離れて、静けさに耳を傾けたくなるような、いいお話でした。

 わたしが彼らに会うことがあったとき、その姿が見えるのかなぁ。

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Comments

かのんさん、こんにちは。
物語の設定からして小学校高学年、中学生向けなのでしょうけれども、見かけや語り口の印象よりもかなり哲学的で難しいような気がしました。
『かわたれ』も結構テーマとしては難しいものがあるように思いましたが、子どもたちはそんなこと考えて読まないんでしょうね。
大人の読み手は、ついいろんなこと考えちゃいますけどね。

Posted by: プリン | 2009.10.03 22:21

 プリンさん、こんにちは。読んだよ~。
 たしかに、いろんな意味で深みのある物語りですよね。
 ハラハラどきどきとかそういうところでストーリーを引っ張っていく本じゃないから。
 たぶん、おとなも子どもも、あの物語りの世界に入っていって、そこから帰ってきたときに、手のひらの上に何かをつかんでくるんだと思うの。その何かは人によって違うんだろうけれど。でね、つかみきれなかったものもたぶんあるの。つかみきれなかったものがあったっていうのはわかるんじゃないかな(意識しないにしても)。だからよけいに心に残るんだろうなぁ。つかみきれなかったもの、だけど、そういう何かがあるっていう存在だけは触れることができた、って。
 この本、読んだ中学生にはとても評価が高い、って、どこかのサイトに買いてありました。どんなことを感じたか、聞いてみたい気もするけれど、人の感性そのものもまた、この物語で語られる「目に見えない絵」であり「耳に聞こえない音楽」であり、「人の心の中にどんな宝石が隠れているのかは外からはわからない」ということなんでしょうね。
 いいお話を紹介してくださって、ありがとうございました。
 いま、図書館から『彼岸花はきつねのかんざし』を借りてきています。一気に読んでしまうのが惜しいような気もするんだけど・・・。

Posted by: かのん | 2009.10.04 06:36

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