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かはたれ―散在ガ池の河童猫

book 朽木 祥 (著), 山内 ふじ江 (イラスト)

 浅沼に住む河童の子ども八寸は、ある騒動をきっかけに、突然ひとりぼっちになってしまいました。ある日、八寸は長老のことばに従い、人間を観察するために河童から猫に姿をかえ、人間の住む町に下りていくのですが・・・。

 日本語が美しいの。時とともにどんどん移ろってしまう風景の中で、一瞬のきらめき、美しい風景、心の琴線にふれたものを書き留めたような、そんな文章。
 もののあはれ。花鳥風月。現代を舞台にしていても、日本らしい、美しいものを愛でる繊細な感受性が全編にながれている。

 ひさびさに気持ちのいい日本語を読ませていただきました。

 だけど、わたしにはやや繊細すぎる気がしました。
 どうして作者はこういうキャラ配置にしたのかなぁ。自分だったら、チェスタトンはどんと構えた存在にしちゃうだろうなぁ、全体のバランスをとるために。
 あえてバランスのとれてないキャラ配分にすることで生まれるあやうさがこの物語の味ともいえるかもしれないけど。

 それとイラストはないほうが文章が活きたんじゃないかなぁ。文章に充分、描写力・リアリティがあるのだから。もったいないなぁ、と思ってしまった。

 と重箱のスミをつついているけれど、全体としては、出会えてよかった本でした(紹介してくださったプリンさん、ありがとうございました~)。

 続編という『たそかれ』も近いうちに読みたいなぁ。

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Comments

かのんさん、こんにちは。

繊細過ぎると感じられたのは、かすかに優等生のにおいがするからかも。実は、ちょっとそう思ったから。これは私の感じです。

しかし、情景描写が(特に月夜の情景が)とてもきれいで、私などは読み終わったあと、ベランダに出て八寸のように月光浴がしたくなったほどでした。

Posted by: プリン | 2009.09.15 22:25

プリンさん、こんにちは。

麻はがんばりやさんですね。
きっとお話が終結したあとは笑って泣いて甘えてのびのびと暮らしているんだと思います。

月夜の描写はすてきでした。
いまは秋のお月見シーズンなので、さらにじいん。

今日『たそかれ』を借りてきました。
でももったいないから、読むのはもうすこしあとにとっておくつもりです。

Posted by: かのん | 2009.09.16 20:41

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